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2020.02.09 22:20 | |
【インタビュー】GRATS!にインタビュー スリーブのデザインへのこだわりや、立ち上げの費用とその後の売り上げについて |
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今回はGRATS!にインタビューさせて頂きました。
▼これまでに発売されたGRATS!のスリーブ
▼2020年に発表された新作スリーブ
▼他の多くのスリーブと比べ硬く、使用感も抜群
▼プレイマットも。
▼おいしいフルーツパフェ
YouTuberインタビュー、ショップインタビュー、アプリ開発者インタビューなど幅広く様々な方のお話をお伺いしているインタビュー企画。
今回はサプライメーカーであるGRATS!にインタビューさせて頂きました。
※この記事の執筆にあたりGRATS!から特にお金は頂いておりません。撮影用のスリーブを頂いた他、西村フルーツパーラーで絶品のフルーツパフェをごちそうになりました。おいしかったです。
──スリーブブランド『GRATS!』はどのようにして生まれたんですか?
欲しいと思うスリーブを探しても世の中に無かったので、自分で作る事にしたんです。
スリーブはどれだけ経過しても腐るようなものじゃないので、長い目で見て売れればいいと。なので、最初から一発当ててやろうみたいなのはなかったですね。
他と違う事さえやっていれば、最低でも細々とした人気は獲得できるかな、と思ったので、少しずつでも売れれば良いなと思ってはじめてみました。
──とすると、本業は別に?
そうですね。株式会社ファーストアールイーという、不動産の売買仲介が本業です。
https://www.1st-re.jp/
仲の良い同級生の実家がビニール袋などを製造する会社だったんですが、その同級生が後を継いで、いつの間にかスリーブ製造の大手になっていて、その縁もあってスリーブブランドを立ち上げる事にしました。
──そのビニール会社は、高品質なスリーブを作られているところだったんですか?
最初から高品質だったわけではなくて、TCGメーカーと共に10年ぐらい改善に改善を重ねて試行錯誤を重ねた結果、スリーブ製造の大手となるまでに成長したそうです。
GRATS!はそれに後から乗っかって先駆者たちの経験の積み重ねをブラッシュアップして成功したような形なので、今までにないものを作っていると自負していますが、ゼロベースで作り上げたってわけではないですね。
先駆者たちの積み重ねを活かしたような感じです。
──スリーブブランドを立ち上げる上で、どれぐらいの費用を投じられたのでしょうか?
GRATS!は150万円ぐらいかけて立ち上げました。
スリーブは自分の欲しい分だけ作るなら10個あれば十分なんですが、最低発注数というのがあるので、それができないんです。
一応少なく作る事もできなくはないんですが、それだと1個あたりがとても高くなってしまうので、あまり現実的じゃないなと。
そうなったときに、自分の欲しいものを作るだけでなく、売れるもの、という事が必要になったんです。だから人によって違う好みのデザインが選べるように、何種類も作ろうと思いました。
とはいえ、これまで業界に関わった事は無かったですし、カードショップにどう卸せば良いのかに関するノウハウも無かったので、カードショップに流通させるっていうのは全く知らない世界でした。
ですが、今はネット通販という販売方法があるので、まずはそれではじめてみれば良いかなと。
──最初はどれぐらいの数の製品を作り、どれぐらい売れたんでしょうか?
最初は8種類、合計2000個ぐらいのスリーブを製造して、最初の1ヶ月で500個ぐらい売れましたね。
数でいえば全国のカードショップに置かれているものに比べたらたいしたことはないのかなと思いますが、新しいブランドとしては思いのほか売れたんじゃないかなと思っています。
──その後の売り上げはどうなりましたか?
明確な数字はあまり言えませんが、販売数が月に500個を下回る事は今のところ無いですね。
多い時はそれこそ1000個以上販売する月もあります。
──発送はご自身でされてるんでしょうか。
そう、そうなんですよ。(笑)
──え、大変じゃないですか?
おかげさまで結構な数が売れているのもありますし、大会に優勝した際にGRATS!のスリーブをつけていて、なおかつ特定の条件を満たしていたら、新しいGRATS!スリーブを贈呈できるポイントをプレゼントしている事もあって発送数はかなり増えましたね。
たまに発送ミスもあったり大変です。単純作業なのでまぁ慣れたっちゃ慣れましたけど。(笑)
▼オフィスには発送前の在庫が所狭しと置かれていた
▼発送前のスリーブ
実際に「優勝してGRATS!のスリーブを貰うのが大会に出るモチベーションに繋がっている」というツイートを何度か見かけた事があります。
それで大会の参加者が増えれば大会を開催した店舗の利益にも繋がりますし、使う人が増えればGRATS!の売り上げにも宣伝にも繋がるのでWIN-WINなのかなと。
こうしたキャンペーンって単純に赤字ではあるんですけど、本来であれば宣伝広告のために広告代理店に広告費用を払う分を優勝したプレイヤーにスリーブを進呈するための費用に充てて宣伝している感じですよね。
──スリーブは誰がデザインされているんですか?
原案は自分が作成して、最後の仕上げは本職でデザイナーをされている方にお願いしています。
▼原案
▼完成品
自分自身不動産屋としてリノベーションなども行っていますので、デザイン自体は昔から好きでやっていたんです。
デュエル・マスターズはもちろん遊びでありゲームですが、面と向かって相手と真剣勝負をするところが面白いと思うんです。
このゲームをどこまで真剣にやるかは人それぞれだと思いますが、真剣にやればやるほど勝ったら嬉しいし、負けたらくやしいし、それもこのゲームの魅力だと思うんです。
厳密にいうと競技シーンにおける機能性だけを追求するならスリーブは無地のマットで良いわけじゃないですか。
ただ、例えばスポーツ選手のユニフォームのように、自分を奮い立たせたり、応援する観客にとってその選手が強くカッコよく見えたりするようなデザインのものが欲しいなと。
──それで、競技シーンでも使えるような精度を維持されているんですね。
そうなんです。
ただ、量産していく中でロットごとのズレだとか、ある程度の不良品というのはどうしても出てきてしまいますし、1枚ずつ時間をかけて丁寧に作ればそういった問題は出ないんでしょうけど、そうすると1個あたりに何万円もかかってしまいます。
スリーブを作ってみてわかった事ですけど、例えばアクリルキーホルダーと比べて、絵柄デザイン・印刷・加工と手間は対して変わらないものが1個500~1,000円で売れるのに対して、スリーブはそれを何十枚もセットで同じくらいの値段。1枚10円程度の商品なんですよ。しかも0.1ミリの誤差が問題に繋がる事もあって、とても大変なんですよ。
ただ自分が競技としてのデュエル・マスターズが好きなので、競技で使えないレベルのものについて交換対応をする事がありますが、他のメーカーさんだとそこまで厳格に対応されているところばかりでは無いのかもしれません。
──競技としてのデュエル・マスターズが好きなんですね。
大人になると、スポーツでもやってないと仕事以外で中々手が震えるほど緊張する事って無いじゃないですか。
でもデュエマにはそれがあって、自分もCSに参加する事があるんですけど、こういった競技志向の大会における緊張感とか闘争心みたいなのが大好きなんですよ。
有名な強いプレイヤーが、対戦相手の表情や行動を見る事によって相手の手札が透けて見えるみたいな事を言っていましたが、これってオンラインゲームには無い魅力だと思うんです。
そういった中での緊張感だとか、闘争心のぶつかり合いみたいなのが見ていて面白いと思っていて、GRATS!のスリーブでは対戦中に選手に問いかけるようなワードだとか、勝つために必要な心の持ち方、あるいは心を揺さぶるようなワードをデザインに組み込んでいるんですよ。
例えば『U MAD?』と書かれた青い炎のスリーブ。
「君、怒ってるの?」というワードは、相手だけでなく時に自分に対しても刺さります。
本当に強い人って冷静で、アツくなってるけど冷静な上でアツいんですよ。
そうした矛盾があって、それが赤い炎ではなく青い炎で演出されているんです。冷めた青色なんですが、その一方でメラメラと燃えているんです。
せっかくカードゲーム専用のデザインだから、スリーブに描かれた言葉はどういう言葉が良いだろうって考えた時に、勝負に通ずるものだったり、勝負を盛り上げるものが書かれていたら良いなという個人的な好みが反映されていますね。
ただ、あんまりカタカナとかひらがなとか、直接的過ぎるとそれもちょっと面白くないなと思うので、英語でほのめかすような構成にしているんです。
グランプリのようなとても大きな大会でも、自分はその大会に参加していないけど強い人たちの試合を見たいって人が来るじゃないですか。
観戦って遠くから見る事もあるので、細かいデザインだと何が描かれているか中々わからないですよね。
なので、遠くから見てもわかるようなデザインにしたいなと。それが例えば動画映えであるとか、配信映えにもつながっていると思うんです。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Amv9J0HLVaE
──確かに、動画で見てもデザインが一目でわかります。デザインとしては、ひと際目立つ位置にロゴがありますが、これはどのような意図があるんでしょうか。
ロゴはなるべく小さく、隅の方にというのがTCG業界のスタンダードっぽいところがありますよね。(笑)
でも、例えばカードゲームのカードそのものなんかでもそうですが、その商品を印象付けるロゴは中央に置くというのが一般的だと思います。
どうせやるなら他と違うことをやりたいっていう気持ちもあったので、印象に残るロゴにしようと思って。
ロゴの位置に違和感がある方もいると思いますが、それって逆に印象に残っているって事だと思うので、そういったところで上手く差別化になっているんじゃないかと思います。
──現在、GRATS!では3人のプロプレイヤー(取材時点、現在は4人)が所属していますが、どのように選ばれたんですか?
まず、彼らは全員2018年度のDMPランキング(全国)において30位以内にランクインするほど実力があり、そのうえで全員が10代と若い子達なんですよ。
彼らをスポンサードしても企業としての広告効果は薄いですし、それこそflatデュエマ工房の方が広告力は高いです。
ただ、どうしても強いカードは高騰しますから、カードゲームは資産ゲーと言われてしまう事もある中で若いプレイヤーが結果を出す事の難しさを解決したいという思いがありました。
その子たちの資金面をこちらで少しでもクリアーしてあげれば、本来アルバイトしなければいけない時間をデッキの調整に費やす事ができますし、若い子へのスポンサード(資金サポート)という形で応援をする事で次世代への投資をしたかったんです。
競技シーン全体の盛り上がりのためにも、若い世代の活躍が必要だと思いました。
──先日アプリ版のデュエル・マスターズ、デュエル・マスターズプレイスが配信されました。サプライ販売業者として、電子ゲームであるデュエプレの存在はどう思われていますか。
ゲームの中にスリーブが登場しますが、あれって運営への直接の課金で手に入れるデータであって、現実のカードゲームのようにそこにデザイン、企画、製造、販売を行う第三者が居る事はありません。
単純にそこだけ比較すると、中古カードショップやサプライ業者にとっては不安も募る変革期ですよね。
その中で期待している事の話をすると、他のほとんどのスマホゲームも画面の中だけでしかない存在ですが、デュエプレに関してはそれらとは異なり“リアル版”が存在していて、そのゲームを突き詰めていった時に、リアル版の存在を無視はできないんじゃないかなと。
──先日、秋葉原で《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》(DM-06、美品)が1枚1万円で販売されていました。
そういう、物としての価値が出てくると思いますね。
もちろんコレクション価値というのはリアル版のカードゲームがどれだけ人気を保てるかにある程度依存すると思うんですよ。この先もどんどん欲しい人が増えていく状態じゃないと。
プレイヤーとコレクターが増えれば増えるほど、どんどん価値が上がっていくんです。
例えば今ポケモンカードはどんどん海外に流れていっていますが、海外にも欲しい人が沢山いるカードというのはそれだけ需要が増していきますし、もし仮に海外でデュエプレがヒットした場合、海外でそのリアル版となるカードが欲しいコレクターやプレイヤーが増える可能性はありますよね。
例えば、今ここ(渋谷)でも現役でデュエル・マスターズを遊んでいる人は少ないかもしれないですが、20代の方であれば見た事も聞いた事も無いって人は少ないでしょうし、デュエル・マスターズは相当高い認知度があると思うんです。
そういった事を考えていけば、相当ユーザーを増やせる余地があると思うんですよ。
──そういえば先日、バラエティ番組に取り上げられた事で《ボルシャック・ドラゴン》がトレンド入りしていましたね。
リアル版があるスマホゲームって今時は中々珍しいですから、そういったところで良い影響になってくれればと思ってますね。
──今後、事業拡大は考えられているのでしょうか。
先日、プレイマットの販売を開始させて頂いたんですが、今後はこうしたスリーブ以外のサプライを取り扱う事があるかもしれないですし、いろんなところともコラボしていきたいと思っていますね。
「あっ、こんな人とコラボしたんだ!」みたいなものを発表して驚かせたいですね。
──期待してます。
あとは、CSの決勝戦って緊張感のある白熱した試合が繰り広げられていますけど、観戦者って10人くらいしか居ないじゃないですか。
あれって「もったいないな~」と思うんですよね。
自分もそうしたハイレベルな戦いっていうのを毎週でも見たいと思っています。
出来ればGPのように選手の真剣な表情も込みで。
映像配信をすれば日本中どこに居ても見る事ができる時代なので、見る人ってきっと沢山いると思うんですね。
ルールやカードの効果が難しいから、という声もよく聞きますが、例えば甲子園を見る人たちは野球のルールを全部知っている人ばかりではないし、細かいプレイの上手さよりも、もっと違うところで感動していると思います。
そういった事をやる上で、もちろん誰がお金出すんですかっていうのはあると思うんですけど、映像配信で観戦できるようにするっていうのもいつかやってみたいなと考えていますね。
それでちゃんと見る人が多ければスポンサーがついてくれるかもしれないですし。
資金を手にした大人達と協力してTCGを応援して盛り上げる事が出来ればな、と思います。
──インタビューへのご協力、ありがとうございました。
GRATS!の製品紹介
▼これまでに発売されたGRATS!のスリーブ
▼2020年に発表された新作スリーブ
▼他の多くのスリーブと比べ硬く、使用感も抜群
▼プレイマットも。
▼おいしいフルーツパフェ
YouTuberインタビュー、ショップインタビュー、アプリ開発者インタビューなど幅広く様々な方のお話をお伺いしているインタビュー企画。
今回はサプライメーカーであるGRATS!にインタビューさせて頂きました。
※この記事の執筆にあたりGRATS!から特にお金は頂いておりません。撮影用のスリーブを頂いた他、西村フルーツパーラーで絶品のフルーツパフェをごちそうになりました。おいしかったです。
1.GRATS!スリーブは、どのようにして生まれたのか
2.立ち上げの費用とその後の売り上げ
3.GRATS!スリーブのデザインについて
4.“次世代への投資をしたかった”
5.スマホアプリ版のデュエル・マスターズの存在について
6.GRATS!の今後について
2.立ち上げの費用とその後の売り上げ
3.GRATS!スリーブのデザインについて
4.“次世代への投資をしたかった”
5.スマホアプリ版のデュエル・マスターズの存在について
6.GRATS!の今後について
GRATS!スリーブは、どのようにして生まれたのか
──スリーブブランド『GRATS!』はどのようにして生まれたんですか?
欲しいと思うスリーブを探しても世の中に無かったので、自分で作る事にしたんです。
スリーブはどれだけ経過しても腐るようなものじゃないので、長い目で見て売れればいいと。なので、最初から一発当ててやろうみたいなのはなかったですね。
他と違う事さえやっていれば、最低でも細々とした人気は獲得できるかな、と思ったので、少しずつでも売れれば良いなと思ってはじめてみました。
──とすると、本業は別に?
そうですね。株式会社ファーストアールイーという、不動産の売買仲介が本業です。
https://www.1st-re.jp/
仲の良い同級生の実家がビニール袋などを製造する会社だったんですが、その同級生が後を継いで、いつの間にかスリーブ製造の大手になっていて、その縁もあってスリーブブランドを立ち上げる事にしました。
──そのビニール会社は、高品質なスリーブを作られているところだったんですか?
最初から高品質だったわけではなくて、TCGメーカーと共に10年ぐらい改善に改善を重ねて試行錯誤を重ねた結果、スリーブ製造の大手となるまでに成長したそうです。
GRATS!はそれに後から乗っかって先駆者たちの経験の積み重ねをブラッシュアップして成功したような形なので、今までにないものを作っていると自負していますが、ゼロベースで作り上げたってわけではないですね。
先駆者たちの積み重ねを活かしたような感じです。
立ち上げの費用とその後の売り上げ
──スリーブブランドを立ち上げる上で、どれぐらいの費用を投じられたのでしょうか?
GRATS!は150万円ぐらいかけて立ち上げました。
スリーブは自分の欲しい分だけ作るなら10個あれば十分なんですが、最低発注数というのがあるので、それができないんです。
一応少なく作る事もできなくはないんですが、それだと1個あたりがとても高くなってしまうので、あまり現実的じゃないなと。
そうなったときに、自分の欲しいものを作るだけでなく、売れるもの、という事が必要になったんです。だから人によって違う好みのデザインが選べるように、何種類も作ろうと思いました。
とはいえ、これまで業界に関わった事は無かったですし、カードショップにどう卸せば良いのかに関するノウハウも無かったので、カードショップに流通させるっていうのは全く知らない世界でした。
ですが、今はネット通販という販売方法があるので、まずはそれではじめてみれば良いかなと。
──最初はどれぐらいの数の製品を作り、どれぐらい売れたんでしょうか?
最初は8種類、合計2000個ぐらいのスリーブを製造して、最初の1ヶ月で500個ぐらい売れましたね。
数でいえば全国のカードショップに置かれているものに比べたらたいしたことはないのかなと思いますが、新しいブランドとしては思いのほか売れたんじゃないかなと思っています。
──その後の売り上げはどうなりましたか?
明確な数字はあまり言えませんが、販売数が月に500個を下回る事は今のところ無いですね。
多い時はそれこそ1000個以上販売する月もあります。
──発送はご自身でされてるんでしょうか。
そう、そうなんですよ。(笑)
──え、大変じゃないですか?
おかげさまで結構な数が売れているのもありますし、大会に優勝した際にGRATS!のスリーブをつけていて、なおかつ特定の条件を満たしていたら、新しいGRATS!スリーブを贈呈できるポイントをプレゼントしている事もあって発送数はかなり増えましたね。
たまに発送ミスもあったり大変です。単純作業なのでまぁ慣れたっちゃ慣れましたけど。(笑)
▼オフィスには発送前の在庫が所狭しと置かれていた
▼発送前のスリーブ
実際に「優勝してGRATS!のスリーブを貰うのが大会に出るモチベーションに繋がっている」というツイートを何度か見かけた事があります。
それで大会の参加者が増えれば大会を開催した店舗の利益にも繋がりますし、使う人が増えればGRATS!の売り上げにも宣伝にも繋がるのでWIN-WINなのかなと。
こうしたキャンペーンって単純に赤字ではあるんですけど、本来であれば宣伝広告のために広告代理店に広告費用を払う分を優勝したプレイヤーにスリーブを進呈するための費用に充てて宣伝している感じですよね。
GRATS!スリーブのデザインについて
──スリーブは誰がデザインされているんですか?
原案は自分が作成して、最後の仕上げは本職でデザイナーをされている方にお願いしています。
▼原案
▼完成品
自分自身不動産屋としてリノベーションなども行っていますので、デザイン自体は昔から好きでやっていたんです。
デュエル・マスターズはもちろん遊びでありゲームですが、面と向かって相手と真剣勝負をするところが面白いと思うんです。
このゲームをどこまで真剣にやるかは人それぞれだと思いますが、真剣にやればやるほど勝ったら嬉しいし、負けたらくやしいし、それもこのゲームの魅力だと思うんです。
厳密にいうと競技シーンにおける機能性だけを追求するならスリーブは無地のマットで良いわけじゃないですか。
ただ、例えばスポーツ選手のユニフォームのように、自分を奮い立たせたり、応援する観客にとってその選手が強くカッコよく見えたりするようなデザインのものが欲しいなと。
──それで、競技シーンでも使えるような精度を維持されているんですね。
そうなんです。
ただ、量産していく中でロットごとのズレだとか、ある程度の不良品というのはどうしても出てきてしまいますし、1枚ずつ時間をかけて丁寧に作ればそういった問題は出ないんでしょうけど、そうすると1個あたりに何万円もかかってしまいます。
スリーブを作ってみてわかった事ですけど、例えばアクリルキーホルダーと比べて、絵柄デザイン・印刷・加工と手間は対して変わらないものが1個500~1,000円で売れるのに対して、スリーブはそれを何十枚もセットで同じくらいの値段。1枚10円程度の商品なんですよ。しかも0.1ミリの誤差が問題に繋がる事もあって、とても大変なんですよ。
ただ自分が競技としてのデュエル・マスターズが好きなので、競技で使えないレベルのものについて交換対応をする事がありますが、他のメーカーさんだとそこまで厳格に対応されているところばかりでは無いのかもしれません。
──競技としてのデュエル・マスターズが好きなんですね。
大人になると、スポーツでもやってないと仕事以外で中々手が震えるほど緊張する事って無いじゃないですか。
でもデュエマにはそれがあって、自分もCSに参加する事があるんですけど、こういった競技志向の大会における緊張感とか闘争心みたいなのが大好きなんですよ。
有名な強いプレイヤーが、対戦相手の表情や行動を見る事によって相手の手札が透けて見えるみたいな事を言っていましたが、これってオンラインゲームには無い魅力だと思うんです。
そういった中での緊張感だとか、闘争心のぶつかり合いみたいなのが見ていて面白いと思っていて、GRATS!のスリーブでは対戦中に選手に問いかけるようなワードだとか、勝つために必要な心の持ち方、あるいは心を揺さぶるようなワードをデザインに組み込んでいるんですよ。
例えば『U MAD?』と書かれた青い炎のスリーブ。
「君、怒ってるの?」というワードは、相手だけでなく時に自分に対しても刺さります。
本当に強い人って冷静で、アツくなってるけど冷静な上でアツいんですよ。
そうした矛盾があって、それが赤い炎ではなく青い炎で演出されているんです。冷めた青色なんですが、その一方でメラメラと燃えているんです。
せっかくカードゲーム専用のデザインだから、スリーブに描かれた言葉はどういう言葉が良いだろうって考えた時に、勝負に通ずるものだったり、勝負を盛り上げるものが書かれていたら良いなという個人的な好みが反映されていますね。
ただ、あんまりカタカナとかひらがなとか、直接的過ぎるとそれもちょっと面白くないなと思うので、英語でほのめかすような構成にしているんです。
グランプリのようなとても大きな大会でも、自分はその大会に参加していないけど強い人たちの試合を見たいって人が来るじゃないですか。
観戦って遠くから見る事もあるので、細かいデザインだと何が描かれているか中々わからないですよね。
なので、遠くから見てもわかるようなデザインにしたいなと。それが例えば動画映えであるとか、配信映えにもつながっていると思うんです。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=Amv9J0HLVaE
──確かに、動画で見てもデザインが一目でわかります。デザインとしては、ひと際目立つ位置にロゴがありますが、これはどのような意図があるんでしょうか。
ロゴはなるべく小さく、隅の方にというのがTCG業界のスタンダードっぽいところがありますよね。(笑)
でも、例えばカードゲームのカードそのものなんかでもそうですが、その商品を印象付けるロゴは中央に置くというのが一般的だと思います。
どうせやるなら他と違うことをやりたいっていう気持ちもあったので、印象に残るロゴにしようと思って。
ロゴの位置に違和感がある方もいると思いますが、それって逆に印象に残っているって事だと思うので、そういったところで上手く差別化になっているんじゃないかと思います。
“次世代への投資をしたかった”
──現在、GRATS!では3人のプロプレイヤー(取材時点、現在は4人)が所属していますが、どのように選ばれたんですか?
まず、彼らは全員2018年度のDMPランキング(全国)において30位以内にランクインするほど実力があり、そのうえで全員が10代と若い子達なんですよ。
彼らをスポンサードしても企業としての広告効果は薄いですし、それこそflatデュエマ工房の方が広告力は高いです。
ただ、どうしても強いカードは高騰しますから、カードゲームは資産ゲーと言われてしまう事もある中で若いプレイヤーが結果を出す事の難しさを解決したいという思いがありました。
その子たちの資金面をこちらで少しでもクリアーしてあげれば、本来アルバイトしなければいけない時間をデッキの調整に費やす事ができますし、若い子へのスポンサード(資金サポート)という形で応援をする事で次世代への投資をしたかったんです。
競技シーン全体の盛り上がりのためにも、若い世代の活躍が必要だと思いました。
スマホアプリ版のデュエル・マスターズの存在について
──先日アプリ版のデュエル・マスターズ、デュエル・マスターズプレイスが配信されました。サプライ販売業者として、電子ゲームであるデュエプレの存在はどう思われていますか。
ゲームの中にスリーブが登場しますが、あれって運営への直接の課金で手に入れるデータであって、現実のカードゲームのようにそこにデザイン、企画、製造、販売を行う第三者が居る事はありません。
単純にそこだけ比較すると、中古カードショップやサプライ業者にとっては不安も募る変革期ですよね。
その中で期待している事の話をすると、他のほとんどのスマホゲームも画面の中だけでしかない存在ですが、デュエプレに関してはそれらとは異なり“リアル版”が存在していて、そのゲームを突き詰めていった時に、リアル版の存在を無視はできないんじゃないかなと。
──先日、秋葉原で《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》(DM-06、美品)が1枚1万円で販売されていました。
そういう、物としての価値が出てくると思いますね。
もちろんコレクション価値というのはリアル版のカードゲームがどれだけ人気を保てるかにある程度依存すると思うんですよ。この先もどんどん欲しい人が増えていく状態じゃないと。
プレイヤーとコレクターが増えれば増えるほど、どんどん価値が上がっていくんです。
例えば今ポケモンカードはどんどん海外に流れていっていますが、海外にも欲しい人が沢山いるカードというのはそれだけ需要が増していきますし、もし仮に海外でデュエプレがヒットした場合、海外でそのリアル版となるカードが欲しいコレクターやプレイヤーが増える可能性はありますよね。
例えば、今ここ(渋谷)でも現役でデュエル・マスターズを遊んでいる人は少ないかもしれないですが、20代の方であれば見た事も聞いた事も無いって人は少ないでしょうし、デュエル・マスターズは相当高い認知度があると思うんです。
そういった事を考えていけば、相当ユーザーを増やせる余地があると思うんですよ。
──そういえば先日、バラエティ番組に取り上げられた事で《ボルシャック・ドラゴン》がトレンド入りしていましたね。
リアル版があるスマホゲームって今時は中々珍しいですから、そういったところで良い影響になってくれればと思ってますね。
GRATS!の今後について
──今後、事業拡大は考えられているのでしょうか。
先日、プレイマットの販売を開始させて頂いたんですが、今後はこうしたスリーブ以外のサプライを取り扱う事があるかもしれないですし、いろんなところともコラボしていきたいと思っていますね。
「あっ、こんな人とコラボしたんだ!」みたいなものを発表して驚かせたいですね。
──期待してます。
あとは、CSの決勝戦って緊張感のある白熱した試合が繰り広げられていますけど、観戦者って10人くらいしか居ないじゃないですか。
あれって「もったいないな~」と思うんですよね。
自分もそうしたハイレベルな戦いっていうのを毎週でも見たいと思っています。
出来ればGPのように選手の真剣な表情も込みで。
映像配信をすれば日本中どこに居ても見る事ができる時代なので、見る人ってきっと沢山いると思うんですね。
ルールやカードの効果が難しいから、という声もよく聞きますが、例えば甲子園を見る人たちは野球のルールを全部知っている人ばかりではないし、細かいプレイの上手さよりも、もっと違うところで感動していると思います。
そういった事をやる上で、もちろん誰がお金出すんですかっていうのはあると思うんですけど、映像配信で観戦できるようにするっていうのもいつかやってみたいなと考えていますね。
それでちゃんと見る人が多ければスポンサーがついてくれるかもしれないですし。
資金を手にした大人達と協力してTCGを応援して盛り上げる事が出来ればな、と思います。
──インタビューへのご協力、ありがとうございました。
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