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2018.09.29 19:00

【デュエルマスターズ】第2回レジェンドCS準優勝 『トリーヴァMAS』 徹底解説(1万文字超) writer:神結


龍覇M・A・S

第2回レジェンドCSで準優勝した『トリーヴァMAS』の解説記事。

自己紹介


初めまして、神結です。好きな仙台名物はずんだ餅です。



今回はこの場をお借りして、レジェンドCSで2位となったトリーヴァMASの記事について書きたいと思います。

まずはリストです。

レジェンドCS 準優勝 トリーヴァMAS 神結さん

ここにいる神通さんは尊敬するshioさん(前年度東京都1位)より、「デッキケースにお気に入りの艦娘を連れていくと勝てる」と言われたので、以降忠実に守っています。

艦これアーケード/No.159 神通改二
セガ
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もくじ




1.はじめに


このリストは「個人戦で圧倒的な成績を収めて優勝を狙う」「あらゆる対面に一定以上の成績を保証する」タイプのデッキではないことをはじめに記しておきます。私自身も個人成績自体は5-5(ゲーム換算すると8-6)です。

ただ「殆ど勝てない対面があるが、逆に多くのデッキが苦手にする特定のデッキには強く出られる」デッキであるため、環境の固まった状況であるとか、チーム戦で横二人のデッキ相性を補完するとか、そのような状況下では使用する意味はあると思ってます。

(これは結果論の部分が大きかったのですが)今回のレジェンドCSは上記の条件によく当てはまるものでした。
 
  • 参加者リストを考えたときに、メタ外のデッキを持ち込む人は殆どいないと予想出来ること

  • DM_vaultの大会で猛威を振るっている赤単轟轟轟が一定の母数存在するであろうこと→環境が非常によみやすくわかりやすいこと

  • 横に座るshio、ともきの両選手の使用が赤白轟轟轟であり、轟轟轟三面と対峙したときに勝ち越せる根拠が欲しかったこと


  • こうしたレジェンドCSのようなCSが今後あるかどうかわかりませんが、環境とレギュレーションを確認の上ご使用ください。


    2.デッキコンセプト


    《龍覇M・A・S》を召喚して《龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+》を設置することでリソース源を確保し、相手の打点を捌きながら《Dの牢閣メメント守神宮》や超次元呪文で「次に何が出てきても負けない盤面」を形成する。
    ⇒これによって相手と自分の攻守を逆転させ、半永久的に除去されないQED+による打点で制圧、フィニッシュする。

    受けの固いデッキに対して(ダンテやブライゼ)は《水上第九院シャコガイル》によるゲームエンドを目指すが、こちらはあくまでサブプランとし、殴り勝つことを基本軸とする。



    3.デッキの作成過程


    本デッキの元になったのはトリーヴァのシャコガイルです。
    リストや解説はこちら(http://kamiyuimudabanashi.blog.fc2.com/blog-entry-47.html)に掲載しているので省略します。

    このデッキを作成した当時と環境的に変わっているのは大きく3つ。

  • 赤青バスターが殿堂によって弱体化、ラッカ剣の登場

  • デスザークにガリュザークが新規実装

  • チェンジザダンテの登場

  • 龍幻のトラップスパークの登場


  • 作成の時点ではチェンジザダンテはデッキ相性的には厳しいだろうなぁとは思っていましたが、全体的にリソースの足りないバスターや黒単というそれなりに弱点の多いカラーリングのガリュザークには勝てるようにとVer.1 を作りました。
     

    『トリーヴァシャコ Ver.1』


    4 x フェアリー・ライフ
    2 x 父なる大地
    4 x フェアリー・シャワー
    4 x 怒流牙 佐助の超人
    4 x Dの牢閣 メメント守神宮
    1 x 超次元ホワイトグリーン・ホール
    1 x 超次元ブルーホワイト・ホール
    2 x サイバー・ブック
    4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
    3 x 龍覇 M・A・S
    1 x 龍装艦 ゴクガ・ロイザー
    3 x 怒流牙 サイゾウミスト
    1 x 龍素記号Sr スペルサイクリカ
    2 x 黒豆だんしゃく/白米男しゃく
    3 x 龍幻のトラップ・スパーク
    1 x 水上第九院 シャコガイル

    2 x 龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+
    3 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
    1 x アルプスの使徒メリーアン/豪遊!セイント・シャン・メリー
    1 x イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
    1 x 時空の花カイマン/華獣の覚醒者アリゲーター

    回してみたところラッカ剣には3ターンバスター+3打点か5ターン以内に《単騎連射マグナム》《音精ラフフル》《勝利のアパッチ・ウララー》のうち2枚以上プレイされなければ大抵は負けないという結論になり、デスザーク対面の場合も殴りあってプレイでの差になるかなーといったところまで出来ました。

    この時、レジェンドCSのだいたい二週間前。
    環境はここにジョラゴンを加えた形で推移していったのですが、直前で思わぬデッキが台頭します。
    そう、轟轟轟ブランドです。

    赤単というデッキは環境初期と、意識されなくなった瞬間が一番強いのですが、この時はまさに後者でした。vault大会でのベスト4を独占したのを皮切りにそのデッキの名前はほぼ毎日ベスト4に見るようになりました。
    それでこのデッキなのですが、ブランドにはこれだけだと勝ち切れません。受けが足りないのです。
    また茨城CSに持ち込んだ際にバスターに3キルされて敗れたのも少し気になりました。
    そこでブランドやダンテ、ガリュザーク等も含めてまとめて対応出来る《ポクチンちん》の採用を思い付きます。リストはこう変化しました。
     

    『トリーヴァシャコポクチン型 Ver.1.1』


    4 x フェアリー・ライフ
    2 x ピクシー・ライフ
    3 x ポクチンちん
    4 x フェアリー・シャワー
    4 x 怒流牙 佐助の超人
    4 x Dの牢閣 メメント守神宮
    1 x 超次元ホワイトグリーン・ホール
    1 x 超次元ブルーホワイト・ホール
    2 x サイバー・ブック
    4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
    4 x 龍覇 M・A・S
    1 x 時の秘術師 ミラクルスター
    2 x 黒豆だんしゃく/白米男しゃく
    3 x 龍幻のトラップ・スパーク
    1 x 水上第九院 シャコガイル

    2 x 龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+
    3 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
    1 x アルプスの使徒メリーアン/豪遊!セイント・シャン・メリー
    1 x イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
    1 x 時空の花カイマン/華獣の覚醒者アリゲーター

    ところがこのリストは光文明が10枚しか採れません。回す前から懸念はしてましたが、実際に回してみたところ、これは思った以上に問題でした。
    《Dの牢閣メメント守神宮》+超次元呪文とプレイしたい場面でマナに光が2枚ないといった状況がザラに起こりました。

    《ポクチンちん》自体は悪くないものの、この色で水をこれだけ採っている以上、ゼロ文明のカードを3枚採るのは厳しいと断念。

    《奇石ミクセル》や《絶対の畏れ防鎧》は強力なカードですが、《奇石ミクセル》はパワー2000がどうしても気になることや、そもそも光の枚数が足りないという状況であるのに初動に光を採るのは構造的に矛盾していることもあり、あまり魅力的に感じませんでした。

    そんな中でぼーっと仕事と『砲雷撃戦よーい』の原稿作業に明け暮れていたところ、ふと一枚のカードの採用を思い付きます。

    光牙忍ライデン

    《光牙忍ライデン》です。
    このカードならばトリガーの《Dの牢閣メメント守神宮》が轟轟轟に対する回答になり、3ターンバスターへの回答にもなります。
    あ、これなら勝てるな、という手応えがありました。

    それで、最終的なリストはこう。
     

    『トリーヴァシャコ Ver.1.2』


    4 x フェアリー・ライフ
    2 x 光牙忍ライデン
    2 x 父なる大地
    4 x フェアリー・シャワー
    4 x 怒流牙 佐助の超人
    4 x Dの牢閣 メメント守神宮
    1 x 超次元ホワイトグリーン・ホール
    1 x 超次元ブルーホワイト・ホール
    2 x サイバー・ブック
    4 x 斬隠蒼頭龍バイケン
    4 x 龍覇 M・A・S
    1 x 時の秘術師 ミラクルスター
    1 x 怒流牙 サイゾウミスト
    2 x 黒豆だんしゃく/白米男しゃく
    3 x 龍幻のトラップ・スパーク
    1 x 水上第九院 シャコガイル

    2 x 龍波動空母 エビデゴラス/最終龍理 Q.E.D.+
    3 x 勝利のプリンプリン/唯我独尊ガイアール・オレドラゴン
    1 x アルプスの使徒メリーアン/豪遊!セイント・シャン・メリー
    1 x イオの伝道師ガガ・パックン/貪欲バリバリ・パックンガー
    1 x 時空の花カイマン/華獣の覚醒者アリゲーター

    レジェンドCSのリスト提出の直前で《龍覇M・A・S》4枚目か《龍装艦ゴクガロイザー》か《時の秘術師ミラクルスター》の2枚目かで迷ったのですが、基本の動きを強化するという意味やshioさんの勧めもあって《龍覇M・A・S》の4枚目で出場しました。

    結果はトータルで8-6。チームとしての成績は2位。
    バスターは0戦、轟轟轟と計10戦して6-4でした。

    轟轟轟にはもうちょっと勝ちたかったんですけどね。


    4.チェンジザダンテとの差別化について


    チェンジザダンテについては養分丸選手がブログで書いていらっしゃるので、こちらを参考にしていただきたいところ。
    【参考】http://bunmarudm.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

    デッキを作るにあたってよく言われたのは"チェンジザダンテとどう違うか?"ということでした。これはもっともな疑問だと思います。

    もっとも大きな違いはデスザーク(以降、便宜的にスザクと呼ぶ)との勝率にあります。
    チェンジザダンテがにスザク抗うのは難しいのは事実。
    出したドラゴンを逐一破壊されていくからです。
    最速チェンジザ+エナジーホール+リュウセイなどが決まればというパターンもありますが、それでもスザク側が二面除去(堕魔ドゥポイズ+卍デ・スザーク卍等)を構えている場合、この目論見は失敗に終わることがあります。

    一方、このデッキの場合は対スザクと充分に戦えます。

    細かいプレイによって対策する事になりますので、対面のプレイの項目で記載します。

    つまるところチェンジザダンテとの違いは、
    「明らかに不利な対面を(グラスパーやムカデ等)を切って捨て、その代わりにバスターや轟轟轟、スザクへの勝率を伸ばしたデッキ」ということになります。

    繰り返しにはなりましますが、そういった意味では個人戦には向かない一方で今回のレジェンドCSにおいてはうまくハマったデッキになりました。


    5.特筆すべき採用/不採用カードについて


    採用カードについて


    光牙忍ライデン

    光牙忍ライデン

    先に述べたので省略します。

    龍幻のトラップ・スパーク1

    龍幻のトラップ・スパーク

    発売したときから使いたかったカードなので使いました。《斬隠蒼頭龍バイケン》との相性は言うまでもないでしょう。
    ともかく緑+白のトリガーカードは強いです。
    かつてのカイザー刃鬼というデッキが如何に《超次元ホワイトグリーンホール》や《調和と繁栄の罠》の“色”に依存していたか、知っている方ならばこのカードの強さがわかるかと思います。

    《アポカリプス・デイ》のような全除去はないですが、《アポカリプス・デイ》のように場に居るクリーチャーの数を問わない事と自分のクリーチャーを巻き込まないのが強みです。
    相手の《追憶人形ラビリピト》が居る時にこのカードをトリガーすると、手札の《斬隠蒼頭龍バイケン》を全て安全に射出出来ることは覚えておいてください。

    水上第九院 シャコガイル

    水上第九院シャコガイル

    本当に最初の最初の段階では入ってないカードだったのですが、バスター対面に着地出来る余裕があることや、チェンジザダンテを考えた際に入ってた方が楽だったため採用しました。
    ただこのカードは打点を能動的に作るカードだと認識して頂いて構いません。
    《水上第九院シャコガイル》が着地すれば相手は当然シャコガイルを対処にしにかかりますが、こうなると盤面に送り込んだ《斬隠蒼頭龍バイケン》や龍解した《最終龍理 Q.E.D.+》への対処を同時に行うのはかなり厳しくなります。
    つまるところ囮です。ベリーソードみたいなもんですね。

    後述しますが、《龍装艦ゴクガロイザー》を採る場合はフィニッシャーとして強力に作用します。

    父なる大地

    父なる大地

    およそ使い方が想像出来るかとは思いますが、3コスト以下で《卍月ガ・リュザーク》を処理するカードです。
    3ターン目の《単騎連射マグナム》の素出しにも対応出来るカードなので、バスター相手にはマナセットせず手札にキープする事も視野に入れていいと思います。

    時の秘術師ミラクルスター

    時の秘術師ミラクルスター

    革命チェンジによって《斬隠蒼頭龍バイケン》を手札に戻すのと、《追憶人形ラビリピト》下で墓地の《サイバー・ブック》を拾うためのカードです。
    強力なカードですが、役割を考えた結果1枚でいいという結論になってます。
     
    《龍波動空母 エビデゴラス》×2
    《アルプスの使途メリーアン》
    《イオの伝道師ガガ・パックン》
    《時空の花カイマン》
    《勝利のプリンプリン》×3

    これで固定だと思っています。
    《龍波動空母 エビデゴラス》2枚に異存はないと思います。
    《龍装艦ゴクガロイザー》入りの場合、《勝利のプリンプリン》や《怒流牙佐助の超人》を《乱振”舞神”G・W・D》から守れる《激相撲!ツッパリキシ》が若干欲しい場面がありますが、他のカードを押しのけて採用するほどではないと思っています。

    《時空の花カイマン》はチェイングラスパーやゲイルヴェスパー等の不利対面にワンチャンスを作るのに必要ですし、これは《イオの伝道師ガガ・パックン》も同様です。
    《アルプスの使途メリーアン》は《Dの牢閣メメント守神宮》関係なしにブロッカーを持つ光のサイキック・クリーチャーとして使用します。

    そしてこれだけは声を大にして主張しますが、《勝利のプリンプリン》の枚数だけは絶対に妥協せずに3以上採ってください。
    採用している2種類の超次元呪文、《超次元ホワイトグリーンホール》《超次元ブルーホワイトホール》の力を最大限に利用出来るカードは《勝利のプリンプリン》しかありません。
    決して枠が余ってるから3枚入れてるのではなく、全て使う前提で3枚投入しています。
    こればかりは言葉での説明が難しいので、回して確認してみてください。
    バージョンは妥協してもいいですが、枚数だけは妥協しないことです。

    不採用カードについて


    《ポクチンちん》《奇石ミクセル》《絶対の畏れ防鎧》

    前述したので省略します。

    機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」

    機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」

    一番最初の構想の時点ではこのカードが2枚入ってました。
    フィニッシャーとしての役割を期待していたのですが、2枚入れる枠がないことに気付き、《水上第九院シャコガイル》へと変更しています。
    流石に1枚だけ入れるなら《水上第九院シャコガイル》の方がカードパワーに大きな差があると思っています。

    龍装艦 ゴクガ・ロイザー

    龍装艦ゴクガ・ロイザー

    《龍覇M・A・S》を使っているとわかるのですが、《龍覇M・A・S》自体の適正採用枚数は3.5枚くらいだと感じることになると思います。
    そこで《龍覇M・A・S》3枚+《龍装艦ゴクガ・ロイザー》1枚の構築をずっと試していました。

    結論から言うとデッキパワーは当然あがります。
    また、《フェアリー・シャワー》や《サイバー・ブック》といった呪文のパフォーマンスが向上するので、《知識の包囲網》のような大量ドローカードを採用せずに《水上第九院シャコガイル》によるゲームエンドを狙いやすくなります。
    このカード自身が2ドロー出来るので《龍波動空母エビデゴラス》の龍解を狙えるのもポイントです。
    チェンジザダンテ等を相手にした場合も置いておくだけで圧倒的なリソース差を作る事が出来ます。

    その為、採用はギリギリまで迷ったのですが、最終的に外しました。
    とにかくパワーカードなのは間違いないのですが、このデッキの目指す基本戦術に対して必須なカードではないのです。
    このデッキの目指すところは《Dの牢獄メメント守神宮》+超次元呪文による制圧態勢の構築や、《最終龍理QED+》によるビートダウンです。
    ここに直接、《龍装艦ゴクガ・ロイザー》が関わる必要はないのです。
    わかりやすく言うならば、今のリバプールのサッカーにコウチーニョが必要ではなかったのというのと同じ理屈です。

    龍素記号Sr スペルサイクリカ

    龍素記号Srスペルサイクリカ

    即座に超次元呪文を連打出来るため、バスター対面では非常に強力です。
    ただデスザーク対面を考えた時に《時の秘術師ミラクルスター》の方が良いという判断に至ったため、採用していません。

    怒流牙 サイゾウミスト

    2枚目以降の《怒流牙サイゾウミスト》

    このカードはチェンジザダンテの《怒流牙サイゾウミスト》と全く同じ役割です。先に挙げた養分丸さんが書いていることと全く同様の理由なので、記述は省略します。


    6.各対面とのプレイについて


    以下に主なデッキに対するプレイの指針を書いておきますが、私もさほど数を回しているわけではないので、参考程度にどうぞ。

    Ⅰ.バスター


    有利です。
    序盤4~5ターンまでに《勝利のアパッチ・ウララー》+《音精ラフルル》+《単騎連射マグナム》のうち2枚以上をプレイされなければ大抵は勝てると思います。

    相手のメタカードが刺さることは殆どないので、基本的なブーストと受けを繰り返す形になります。
    《龍覇M・A・S》や《勝利のプリンプリン》を破壊できる《乱振”舞神”G・W・D》は唯一厄介なカードではありますが、これを恐れてプレイをしないという択を取る必要はないです。

    これは全てのビートに対してそうなのですが、相手が次のターンに繰り出せる打点の数と、自身が抱えている受け札の数をしっかり把握しておくことが重要です。
    軍事用語だと縦深などと言ったりしますが、自分が負けるまでの距離を把握しそれを上回る防御を備えることを意識すればまず負けないでしょう。
    一つ注意すべきなのは、こちらの縦深を破壊してくる《単騎連射マグナム》の存在です。
    このカードが見えていない状況で《Dの牢閣メメント守神宮》+《閃光の守護者ホーリー》を同時に踏むと厄介なパターンがあります。
    バスター側にシャコを対処する札がない場合が殆どなので、《水上第九院シャコガイル》によるフィニッシュを意識していいと思います。

    Ⅱ.デスザーク


    対チェンジザダンテのところでも少し書きましたが、五分だと思います。

    こちら側の勝ち筋は以下の通りです。

    a.実質的に不滅の打点となるQED+で延々と殴り続ける
    b.相手の山札が減ったところで《父なる大地》を《堕魔ヴォガイガ》に当て、LOを目指す
    c.《最終龍理QED+》等でシールドをブレイク、減らした後に《斬隠蒼頭龍バイケン》を手札破壊に対して場に出した時、クリーチャーを手札に戻すのではなく自身を手札に戻す事で常に手札に抱え込み、相手が《追憶人形ラビリピト》込みで殴りに来たところに仕込んだ《龍幻のトラップ・スパーク》をトリガーさせる。《追憶人形ラビリピト》の効果の発動は強制なので、手札から抱えていた《斬隠蒼頭龍バイケン》を展開し、殴り切る。
    (そもそも《追憶人形ラビリピト》が着地しない場合は大抵の場合プランAが通るので、そこは心配してくてよい)

    a,b,c,どのプランを狙うにしろ当然の如く《龍覇M・A・S》の着地を目指します。
    最速でなくとも何処かで《龍波動空母エビデゴラス》を作ることが重要です。
    これが着地出来なかった場合は負けだと思って頂いて構いません。

    ただ、デスザークはそれだけで勝てるほど甘いデッキではないです。
    もっとも、こちらのデッキはチェンジザダンテか非常に判別しにくいため、相手も安易にハンデスは投げてこないはずです。
    引いてるならば手札の《龍覇M・A・S》は守りやすいとは思います。

    あとは何回殴れるかの勝負になります。
    一定のターンを経過すると相手は《堕魔ヴォガイガ》+《堕魔ヴォーミラ》によるほぼ無限のリソースを得ることが出来るため、盤面を取る意味は殆どありません。シールドを殴りに行きます。

    一番目指したいルートはシールドに《龍幻のトラップ・スパーク》を隠しつつ手札に《斬隠蒼頭龍バイケン》を抱えながら《最終龍理QED+》で殴る事です。
    ですが、相手にも《追憶人形ラビリピト》がある以上そうは上手くいきません。
    3つのうち2つを能動的に行い、残り1つはある程度の運に頼る必要も出てくるかと思います。
    《父なる大地》による《堕魔ヴォガイガ》出し入れでデッキロストさせて勝てるパターンもあるので、シールドの最後の1枚まで諦めないことが大切です。

    この対面での《父なる大地》はかなり重要なカードなので、使いどころを見極める必要があります。
    序盤の《堕魔ヴォガイガ》をマナに置いて“時限爆弾”を設置しつつ《堕魔ドゥポイズ》を引っ張り出す、《卍月ガ・リュザーク卍》の処理、終盤以降の《堕魔ヴォガイガ》の出し入れ等、役割が複数あります。

    また、相手の《卍月ガ・リュザーク卍》が着地するとマナのアンタップにロックがかかります。
    これ以降トップデックしたカードをどうプレイするかはケースバイケースとなりますので、この対面は練習をしておくことをオススメします。

    Ⅲ.ジョラゴンジョーカーズ


    こちらの3色使って作るリソースの数を、何故か無色のジョーカーズが上回っていくことがあります。故に不利です。
    何故かリソース差で負けるからです。
    殴ってくるだけならなんとかなるのですが、《燃えるデット・ソード》が出てくるとなると本格的に無理です。

    ともかく《ジョット・ガン・ジョラゴン》単体からぶん回られた場合は割り切るとして、基本的には相手も迂闊に《ジョット・ガン・ジョラゴン》のみでは突っ込まないはずです。盤面に置いてきた《ジョット・ガン・ジョラゴン》に対して、《父なる大地》等で処理をしつつ、打点を揃えます。
    最終的には《7777777》で対処されにくいコスト7の《最終龍理QED+》やコスト5の《勝利のプリンプリン》を後ろに置いて殴りましょう。

    Ⅳ.轟轟轟


    勝率は65~70%くらい。
    初撃を何処まで耐えられるかの勝負になります。《Dの牢閣メメント守神宮》+《龍覇M・A・S》の場面を作れればおよそ負けません。6点揃えて殴りましょう。
    《最終龍理QED+》ならばS・トリガー《ヘブンズ・フォース》から出てきた《制御の翼オリオティス》2体すら貫通します。

    赤白も赤単も殆どプレイに差はないと思いますが、《ドリルスコール》だけは頭の片隅に置いておく必要があります。先攻で2枚以上プレイされた場合は割り切ってください。

    ちなみにフェアリープロジェクトさんより、この対戦をしている動画が投稿されています。かなり上手く回ったケースにはなりますが、よろしければ参考にどうぞ。



    Ⅴ.ブライゼシュート


    なんとも難しい対面です。
    不利だとは思ってますが、勝てないわけではないです。こちらが打点となるカードを引けず、相手の初撃の《黒神龍ブライゼナーガ》で《界王類絶対目ワルド・ブラッキオ》が出てきた場合は諦めてください。

    基本的には《龍覇M・A・S》+《最終龍理QED+》によるビートを目指したあと、《黒神龍ブライゼナーガ》を投げて貰います。
    流行しているトライガード型はエメラルーダ型よりも仕込んだカードの爆発をさせるのがやや難しいです。
    その間に《偽りの王モーツァルト》にかからない打点を作り続けます。この打点に《偽りの王ヴィルヘルム》で対処して貰えるならありがたいことです。
    リソース切れの頃合いを見計らって《水上第九院シャコガイル》を投げましょう。もしくは《偽りの王モーツァルト》を《父なる大地》でどかして殴り続けるかです。

    ところで最近出てきたゾルゲ型ですが、紅蓮ゾルゲ以前に《偽りの名ゾルゲ》の永続的な除去が非常に辛いような気がします。

    Ⅵ.チェンジザダンテ


    作成当初は不利だと思ってましたが、そうでもなかったです。
    絶対数を回してないので勝率はいまいち把握しかねますが、半分くらいは勝てるのではないでしょうか。
    理由としては、チェンジザダンテ側が早々に走れずにリソースの勝負となったとき、こちらが有利になるからです。
    チェンジザダンテは結構ピーキーなデッキなため、ハンドが噛み合わないことも多く、また除去の枚数でもこちらに分があります。

    ただ、押し付ける動きではもちろんチェンジザダンテ側に分があります。《龍装艦チェンジザ》を早々に2枚持っていたり、《時の法皇ミラダンテⅩⅡ》+《ジャミング・チャフ》で走られてこちらがブーストが出来てなかった場合などは諦めてください。

    理想的なのは《龍装艦チェンジザ》に対して《龍覇M・A・S》を当てつつ、リソース勝負に持ち込むことです。
    相手の《時の法皇ミラダンテⅩⅡ》を1回は通さざるを得ないケースが発生すると思いますが、そこにメメントを合わせて耐えつつ、シャコの着地を目指します。

    一度《水上第九院シャコガイル》さえ着地してしまえば、こちらが一方的に《斬隠蒼頭龍バイケン》を出し続けることが出来るようになるため、ほぼ勝勢と言えるでしょう。
    この対面に限って言えば、《水上第九院シャコガイル》の2枚目が欲しいですね。


    7.最後に


    新しく作るデッキとは大抵弱いものです。何故なら個人で新しく作ったデッキというものは、自分自身の知識や価値観のみでしかリストを批評しないからです。
    環境に存在する強力なデッキというものは集合知の結晶であり、数多くプレイヤーからの批評に耐えてきた実績もあります。
    繰り返しにはなりますが、このデッキは個人戦で優勝を掴み取れるような、そういったタイプのデッキではないです。
    今回の作成したリストには以前作ったのアナシャコの「ロストソウル」のようなあらゆる対面に勝率を保証するカードもありません。役割破壊デッキです。プレイングもかなり際どい部分があります。
    予選を抜けたのは横の二人が7-0、6-1をしたからであり、そういった意味では結果的に私は赤緑ドリームメイトを使用してもヴァルディビートを使用していても次元無しのモルトNEXTを使用していても本戦の舞台には立っていたことになります。
    今回私がこのデッキを使用できたのも、shioさんの理解があり、「これで勝てる」と思っていただけだからです。
     
    一方でデッキを作るという行為は非常に楽しいことだと思います。
    私が創作が好きというのもあるでしょうが。デッキを考えるのも、物語を考えるのも結構似てますよね。

    ガチガチのデッキでDMPランキングでトップを目指すのも、オリジナルのファンデッキで盛大に勝って盛大に負けるのも、好きなデッキタイプをアレンジしてしぶとくベスト8等を狙うのも自由だと思います。このデッキはデュエマフェスで使うようなデッキでもないし、CSで優勝出来るようなデッキでもないと思っていますが、作ったことには誇りを持っています。

    今回こういった形で記事を書いた理由の一つに、制作過程などを公開することによってデッキ作成に至るまでを多くの人に見ていただきたかったというものがあります。
    ですので作成途上のリストなども載せています。無料で公開したのもそういうことです。
    仮に勝てなかったとしても、ブログは書いてたと思います。
     
    普段カバレージを書いたり、小説を書いてたりするくらいには物書きが好きなので、また何処かでここで書くこともあるかと思います。その時は、何卒よしなに。
     
    最後になりますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。そしてshioさん、ともきくん、中野の皆さん、レジェンドCS運営の皆様、対戦してくださった皆さんには改めて感謝を。
    また疑問・質問・感想等は@kamiyuilemonに。その他クソリプ等は@deneblogまでよろしくお願いします。

    コメント: コメント(8)
    ファンデッキにしてもなかなか見ない型のデッキですね。普通に作りたいと思いました。
    [ 2018/09/29 19:33 ] [ 編集 ]
    文字数が気にならない素晴らしい考察でした。
    なんか新しいの組みたくなりますね、、!
    [ 2018/09/29 20:26 ] [ 編集 ]
    すごい(小並感)
    [ 2018/09/30 12:02 ] [ 編集 ]
    以前似たようなデッキ使ってた時はエウクレイデスでエビ龍解させる事が多かったから、入ってないの見るとうーん?となったりする
    構築的にも2,3枚ドロー出来る場面は多いし、エウクレイデス自体も龍解で打点に出来る場面が多そうだけど
    [ 2018/09/30 15:14 ] [ 編集 ]
    面白いデッキですなぁ
    こういう解説記事は本当にありがたい
    さて、早速組んで改造しますか...
    [ 2018/09/30 15:45 ] [ 編集 ]
    相手の攻めを捌ききる事が第一目標で、その後に攻める形のデッキなので、エウクレイデスは呼ぶタイミングも使うタイミングもないと思います。
    [ 2018/09/30 16:40 ] [ 編集 ]
    素晴らしい熱意、考察で全てさらっと読み終えてしまいました。自分も昔はよく大会で環境外のデッキを使い、よく優勝していてその際にデッキのカード一枚、一枚を真剣に考え、決断する。その行為がなんとも言えない幸せでした。今は強力なパワーカードを如何に操りながらも絡め手を考えるのに必死です(^^;

    今はカードパワーがインフレしていて昔より遥かに絡め手で勝つのが難しい環境であるが故、ここまで考え抜いているデッキビルダーは少ないと思いました。だからこそ他の誰よりもこのCSにおいて輝いて見えます。

    昔を振り返ります。有難うございました。
    [ 2018/09/30 16:48 ] [ 編集 ]
    ゴッド・ノヴァ連神デッキで右神や左神とリンクさせた《名も無き神人類》で《ケンゴウグレンオー~天地鳴動~》宣言
    ソウルシフト進化《ゴウケンオー~剣々轟々~》からの《ケンゲキオージャ ~究極火焔~》って実用性ありますか?
    3体リンク、ゴウケンオー宣言からケンゲキオージャでもいいですが
    G・リンクは1体のクリーチャーとして扱われるので処理的には行けると思う
    [ 2018/09/30 17:18 ] [ 編集 ]
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